アルミフレームとアクリル板で自由なサイズのエンクロージャーを自作する

今回は、タイトルの通り「アルミフレームとアクリル板で自由なサイズのエンクロージャー」を自作していきます。

エンクロージャーが一般的な用語なのかはわかりませんが、wikiで調べると「機械類を格納する筐体」とのことです。

最近、色々は工作機器を導入して使用していますが、その中でもCNCルーターとボール盤を使用すると、周辺に切りくずが飛んで掃除が大変ですし、近くの機械や人にも悪影響を与えてしまいます。

そのため、切りくずが飛び散らないような防塵対応として、専用のエンクロージャーを自作することにしました。

ただ、設置場所にぴたっりのエンクロージャーが見つからなかったり、値段が高かったりするので、いっそのこと自作しようと思ったのがきっかけです。

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※エンクロージャー自体がただの箱で構造と材料がシンプルなので、簡単に作れます。

1.構成と設計

で、早速CADで設計をしてゆきます。

エンクロージャーイメージ

アルミフレームを箱型に組み立てて、それぞれの面にアクリル板を張り付けたシンプルな構造です。

アクリル板は、フレーム本体に対して上下で30mm小さいサイズにします。(アルミフレームにかかる部分を5mmにする)

アクリル板固定バー

アルミフレームとアクリル板は、3Dプリンターで印刷した固定バーを取り付けて固定を行います。

これで仕様は決まったので、部品の用意です。

エンクロージャのサイズにあった2020サイズアルミフレームを購入します。

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もし、市販のアルミフレームにちょうど良い長さがなければ、NICダイレクトさんで好きな長さを注文できます。(値段も市販されているものと変わらないのでお勧め)

自分は、利用したことがないようですが以下サイトのレコフレームも好きな長さで注文ができ、アルミフレーム同士の結合も簡単そうなので良さそうです。

次にアクリル板ですが、こちらもちょうど良いサイズを見つけるのが難しいので、アクリルショップ・はざい屋さんでオーダーメイドします。2mm厚のアクリル板であれば、お手頃価格です。

今回作成するエンクロージャーは、幅64㎝x奥行45cmx高さ49cmほどの大きさのになります。アルミフレームは、手に入りやすいヤマトアルミフレームを使用します。

パーツ名 必要数
ヤマトアルミフレーム YF-2020-4-450 8本
ヤマトアルミフレーム YF-2020-4-600 4本
アクリル板 厚さ 2mm サイズ 460×610 mm(背面パネル用) 1枚
アクリル板 厚さ 2mm サイズ 420×610 mm(天井パネル用) 1枚
アクリル板 厚さ 2mm サイズ 450×640 mm(床パネル用) 1枚
アクリル板 厚さ 2mm サイズ 420×460 mm(サイドパネル用) 2枚
アクリル板 厚さ 2mm サイズ 305×460 mm(正面扉用) 2枚
コーナーブラケット 24個
M4 四角ナット 沢山
M4 ボルト 沢山
アクリル固定バー 沢山

アルミフレームとアクリル板の用意が出来たら、3Dプリンターで必要な数のアクリル板固定バーを印刷します。

※コーナーブラケットは、3Dプリンターで印刷したものを使用すれば予算を節約できますのでお勧めです。

印刷したアクリル板固定バー

2.組み立て

設計と必要なパーツの準備が完了したので組み立てていきます。

まずは、印刷したアクリル板固定パーツをアルミフレームに取り付けていきます。

M4ボルトで仮止め
アルミフレームを組み立て
アクリル板

今回購入したアクリル板は2mm厚になります。

このアクリル板を組み立てたアルミフレームに差し込んでいきます。

アクリル板を挿入

アクリル板を挿入したら、アクリル板固定バーのボルトを締めていきます。

で、上記を繰り返してエンクロージャーの完成です。

あえて一部のアクリル板固定バーを取り付けないことによって、組み立て後もアクリル板をスライドし、取り外し可能にして、メンテナンス性を向上させることも可能です。

エンクロージャー設置

床部分は、アクリル板をひいて、その上にエンクロージャーをかぶせるだけにしていますが、そのままテーブルに置くのであれば、床用のアクリル板は必要なさそうです。

使用するときは、ふすまの様に表のアクリル板を左右に開きます。

前面のアクリル板を開いた図

ちなみにケーブル部分の処理は、側面のアクリル板にドリルとアクリル板カッターで穴を開けて、3DプリンターでTPU素材(ゴムのような素材)を使ってケーブルホールを作成して取り付けています。

ケーブルホール

しかし、力を入れすぎてアクリル板を割ってしましました。。。見栄えは悪いですが、アクリル樹脂用の接着剤で補修したので機能的には問題ないです。

これで粉塵が出てもケース内にとどまるので掃除が簡単です。それにCNCルーター動作時に蓋を閉めれば防音効果とエンドミルが折れた時にも安全です。

3Dプリンターで使用すれば断熱効果が期待できます。

3.ドアの開閉対応

エンクロージャー前面の開閉部分を手を抜いてふすまのようなスライド式にしましたが、やっぱり使っていると不便なので、ちゃんとした開閉式のドアにしようと思います。

蝶番部分は、3Dプリンターで印刷したものを使用して、ドアを止めるマグネット部分(マグネットキャッチと呼ぶらしい)は、Amazonで適当なものを購入しました。

ってことで、まずは見よう見まねで現状のサイズに合ったドアの蝶番を設計してみます。

設計した蝶番

知識0にしてはそれっぽい形になりました。フレーム部分とアクリル板を固定する2つのパーツで構成されています。

で、設計したパーツを3Dプリンターで印刷をして動作チェックをしてみます。

フレーム側蝶番

フレーム側蝶番をM4 8mmで固定します。

アクリル板固定蝶番

固定したフレーム側蝶番にアクリル板固定蝶番をM3 30mmのボルトで取り付けます。今回は、強度が心配だったので軸部分にボルトを使用しました。

180度回転

おぉぉぉ!。他と干渉せずに思ったよりちゃんとした蝶番になりました。

あとは、アクリル板に穴を空けて蝶番を固定するだけです。

次にアルミフレームとマグネットキャッチのマグネット部分をアルミフレームに固定するのは、下記のM3スライドナットを使用しました。

M3 M4 M5 M6 M8 T-shaped Hammer Nut Slider Nut Fasten Connector Aluminum Extrusion Profile Groove European Standard 20 30 40 45

で完成したのが下の画像です。

開閉ドア完成図

マグネットキャッチの金属部分は、手を抜いて両面テープで固定しました。手元にちょうど良い皿ネジが無かったも理由です。(付属のネジは木工用なので使えませんでした。)

ただ両面テープだとすぐに剥がれてしまうので、後日、ちゃんとしたボルトを購入して固定しないとです。。

適当に設計した割には、ちゃんとした開閉扉になりました。

ちなみにコーナーブラケットをアルミのちゃんとしたものを使用していましたが、予算節約のため3Dプリンターで印刷したものに変更しました。

これだけで製作費が1500円程浮きました。

4.最後に

今回自作したエンクロージャーのサイズは、幅64㎝ x 奥行45cm x 高さ49cmで、費用はもろもろの送料も込みで1万円くらいになりました。(コーナーブラケットを印刷したものを使えば、9000円以下くらい?には出来ると思います。)

Amazonなどで今回自作したものより一回り小さいサイズで1万7000円程するので、自作した方がサイズが自由にできてリーズナブルです。(以前は、Amazonで1万円位で売っていたような・・・?)

今回作成した「アクリル板固定バー」と個別に買うと高くつくドア部分のパーツをセットで販売したら買ってくれる人いないかな。。

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