今年も暑い暑い夏の季節ですね。。。今回は夏の作業部屋の暑さ対策の記事になります。
3.5畳程度の広さの納戸を作業スペースとして利用しているのですが、いろいろな事情があり、エアコンが取り付けられません。
それだけではなく部屋には、はめ殺しの小窓しかありません。。
夏場になると室温が常時30度以上にもなり、長時間作業すると熱中症になりかねない危険な部屋になっています。。
ってことで、何とか部屋を冷やそうといろいろと探した結果、扇風機の様に簡単に設置出来て、室温から最大-11度の冷風を吐き出すことができるコロナのスポットエアコン「どこでもクーラー」で改善できないかを考えました。
同じようにエアコンが設置できない場所をエアコンのように冷やしたいと思う方のほとんどは、この「どこでもクーラー」などのスポットエアコンに行き着くのではないでしょうか?
候補に扇風機や冷風扇などもあるのですが、これらは、部屋を冷やすことはできないので、どうしても壁掛けエアコンと同じようなコンプレッサー方式でそれなりの価格で探すと「どこでもクーラー」が候補にあがるのではないでしょうか。
コロナの「どこでもクーラー」以外にもナカトミやハイセンスなどからも発売されています。
どこでもクーラーより消費電力で見ると強力っぽいです。そちらの記事も別で扱っています!
詳しくは、別記事でまとめましたのでご興味がある方はご覧ください。
ってことで、中古で型落ちの「コロナ どこでもクーラー CDM-1018」を購入しました。
衣類乾燥除湿機能もついているので、仮にエアコンとしてイマイチでも洗濯物の室内干しで使えます。
で、早速、設置して使用してみたのですが、、、まーなんでしょうね。。。スポットエアコンって言うだけあって、吹き出し口の目の前だけであれば、確かに冷えます。
しかし本体後方から吹き出す排熱がすごいので、部屋を閉め切ると逆に部屋の温度があがります。(購入する前の下調べで知ってはいたのですが、実際に使ってみて納得です。)
壁掛けのエアコンと仕組み自体は同じだと思いますが、スポットエアコンの場合は、本体に室外機も内臓さているので仕方がないですが。。
この排熱を窓などから外に逃がせれば、もっと効率的に冷やすことができます。
実際、スポットエアコンの多くは、オプションなどで排熱用のダクトホースなどが販売されています。(どこでもクーラーにも標準で布製のダクトホースが付属します。)
ただ、そんな都合の良い排熱口は、使用する部屋にはないのでしばらく押入れの肥やしになっていました。。。が、
ある日ふと、壁を見ると、吸気口が目につきました。
よーくみてみると、なんとカバーが外れるじゃないですか!。
吸気ができるのであれば、きっと排熱もできるはずと言うことで、この吸気口から排熱ができるようなダクトを自作することにしました。
ただ、ほかのブログでも排気ダクトを自作して、取り付けている方もいらっしゃるみたいで、排熱ダクトを取り付けてもあまり冷えないと言う記事もちらほら見かけます。
てことで、排熱ダクト内にファンを取り付けて強制的に熱を逃がす仕組みを取り入れてみようと思います。
早速、どこでもクーラーに取り付けるものと吸気口の用のダクトカバーをCADで設計して3Dプリンターで印刷をしました。
印刷したファンカバーに90mmのPC用のファンと追加で購入した純正のダクトアダプターを取り付けます。
これをどこでもクーラーの本体に取り付けます。
あとから気が付いたのですが、壁側のダクトカバーにファンを取り付けた方が、排熱の効率がよさそうだったのですが、設計ミスで本体側にファンを取り付けることになっています。。。(汗。
次に壁側にのカバーは、ネジ穴などがないので上下から挟み込んで固定する方法です。その時にプラスチック同士だと摩擦が少ないので、滑り止めシールを張って取れにくくします。
あとは、下からネジで押さえつけて固定する作戦です。ダクトの重さに耐えられるか。。。
取り付けたところです。もう一つの純正ダクトアダプターも取り付けます。思ったより強く固定されているので、大丈夫そうです。
必要なフレキホースとホースバンドは、Amazonで手ごろなものを購入しました。
あとは、このフレキホースを排熱カバーとファンカバーのダクトアダプターに接続すれば完成です。
思ったよりも悪くないできかなと思いますが、フレキホースがピカピカして目立ちますね。。。
ちなみに使用しないときや冬場などは、接続しているフレキホースを外してコンパクトに収納可能でです。
最後に排熱ダクトを取り付けることでどのくらい室温が下がるか冷却能力を測定してみます。
測定条件は、広さ3.5畳、室温29度、湿度77%の状態で、冷風パワフルで運転した場合になります。
結果発表!!
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約20分後の結果ですが、全然冷えません。むしろ温度が上がっています(涙。。。
流石に湿度は下がっていますが。。。
サーモグラフィーで見たところ、エアコンの吹き出し口は確かに27度前後の冷たい空気が出ているのですが、開始直後でもフレキホースの接続部分が44度以上になっています。
原因としては、どこでもクーラーの排熱でアルミのフレキホースが高温になり、この熱が部屋を暖かくしているようです。排熱が全然間に合っていません。(悲しい。。
最終的に30分ほど動かしたのですが、室温は32度まで上昇してしまいました。
本体側のファンカバーも熱で変形してしまいました。
何も考えずにPLAで印刷したので、熱耐性が低いこともありますが、PLA自体が軟化するのが60度以上らしいので、ダクト内の温度がそれ以上に上昇していたと思われます。
前回の失敗点と改善点です。
・本体から勢いよく熱風が噴出しているので、この直前にファン設置しても効率が悪い
→設計ミスのため、強制排気ファンを本体側ではなく、壁側のダクトに持っていく
壁側のダクトカバーにファンを設置できるような一体型カバーに設計変更
・前回使用したダクトホースは、アルミ箔製で熱伝導率がすごく高い
→ダクトホースを熱伝導率の低いPP製にする
Amazonでスポットエアコン用の空調排気ダクトを購入。(最初からこちらを買っておけばよかった。。。)
あと、前回は、ダクトホースが長すぎて途中で弛んでしまって、熱がこもり易くなっていたので、短くした。
アルミ箔製3mのダクトホースより2mのPP製ダクトホースの方が長くてガッチリしています。
・3Dプリンターで使用する素材をPLAからPETGに変更
前回は、PLAを使用しましたがPETGにして熱耐性を向上させているので、色をクリアからホワイトにして壁との一体感を向上させています。(ダクトが黒だからあんまり意味ないですが、、、)
準備ができたので、早速改善した組み合わせで取付を行います。
新しく再設計したダクトカバーにファンと取り付け。
購入したPP製のダクトホースにダクトアダプターを取り付けるのが大変でした。。。ダクトホースの径が思ったよりギリギリで力ずくではめ込みました。
作成したダクトファンカバーを吸気口への取り付けと、ダクトホースの取付です。
これで準備は完了です。
形を作るのがアルミ箔ダクトホースに比べて硬いのでカーブなどの形が作りやすいです。
早速、温度の測定になります。同じ場所で室温28.5度から開始します。
15分後の結果です。
少しわかりずらいですが、13時38分前くらいから測定を開始しましたが、温度が上昇しています。。。(号泣
ただ、PP製のダクトホースの表面の温度は、アルミ箔のダクトホースに比べて、低い状態でした。アルミ箔の方は、素手で触れないくらい熱くなっていたので。
排熱がはやり追いついていないと思われるので、吸気口のフィルターを取り外して、外への空気の流れを良くしてみます。
これで、風の流れが良くなりましたので、3度目の正直で再挑戦です!(*´Д`)
同じ場所で室温30.2度からの開始します。(前回の実験でだいぶ部屋が暑くなりました。。。)
30分後の結果です。
おぉぉ!13:50~からの実験開始ですが、少しずつ部屋の温度が低下し、14:19時点で29.7度だったので、30分で0.5~0.6度ほど温度が下がったことになります。
湿度も下がっているので、体感温度は涼しく感じます。
ただ、下がったのはいいのですが、30分で0.5~0.6度ってのは効率的に言ってどうなんでしょうか。。。(良くはないですよね。。
再度、本体のダクトがなるべく曲がらないように本体の置き場所を少し工夫して再測定したところ、30.8度から約30分で29.5度まで温度が下がりました。
先ほどに比べて2倍以上温度が下がり、きちんと部屋が涼しく快適になりました!
その時の状態をサーモグラフィーで温度測定をしてみましたが、
冷風吹き出し口では、22度前後の冷たい空気が出ているのですが、どこでもクーラーの本体自体が40度以上の熱を発生しており、その周辺の温度も高くなっています。
ダクトホースも温度が高いのですが、周辺の温度は大きくは変わっていないです。
結論として、十分な排熱が行えれば、部屋の広さ次第で全体を冷やすことは可能だと思います。
スポットエアコンとしては、冷風の吹き出し口の前であれば十分涼しく、今回のダクトホースのおかげで、数字で見ると温度の低下は少ないですが、部屋全体でも体感だと十分冷えてる感じになりましたので、まぁまぁ成功かなと思います!
壁掛けのエアコンが取り付けできずにスポットエアコンを検討している人の何かの参考になればと思います。
使用したファンの風速を測定しましたが、3.1m/s程度だったので、より強力なファンを取り付けれたり、専用のダクトファンを使用したりすれば、より冷却能力がアップするかもしれません。
専用のダクトファンを取り付けたケースも実験をしていますので、下記の記事をご覧ください。
記事内で使用しているサーモグラフィーカメラについても、下記の記事でレビューをしています。